“猫のトイレの不快なニオイ”発生の原因は?

2009年09月18日 11:00

 ライオン <4912> の分析技術センター及びライオン商事は、猫のトイレから漂う”独特の不快なニオイ”と”原因菌”について研究を行い、このたびその結果を発表した。

 同社はまず、猫のトイレの微生物分析を実施。ペットオーナー5家庭において、猫のトイレの内側や底部、猫砂用スコップなどを対象に合計19箇所で拭き取りを行い、その結果、グラム陽性菌が高頻度で検出。それらの細菌を特定したところ、耐塩性細菌であるスタフィロコッカス科の「スタフィロコッカス」、「ヨトガリコッカス」という2菌種が確認されたという。

 この2菌種の性質を調べたところ、「スタフィロコッカス」は全てがウレアーゼ活性を持つ菌株を保有し、一方で「ヨトガリコッカス」は、ウレアーゼ活性を持つ菌株と持たない菌株がいることが判明。この菌株を猫の採取尿と一緒に培養してアンモニアの濃度を測定した結果、ウレアーゼ活性を保有する菌株においてはアンモニアの発生量が増えることを確認した。

 同社は昨年3月よりトイレまわりの清潔キープ剤『ペットキレイ きれいのミスト 猫のトイレ用』を発売している。猫尿から菌を接種してアンモニアが発生する条件下で同商品を使用した場合のアンモニア発生量(72時間後)は、無添加の系(ブランク:生理食塩水)と比較すると1/10以下となることから、除菌作用によってアンモニアの発生を抑制する効果があることも確認できた。

 猫を室内で飼育しているペットオーナーに、ペットまわりで気になる不快なニオイを聞いたところ、69%が「トイレ」と回答している(07年日本石鹸洗剤工業会調べ)。また、トイレのニオイを「臭くなる前に抑えたい(62%)」と感じており(2007年ライオン調べ)、ニオイの発生防止対策を強く求めている。

 同社はこれからも、ペットオーナーの思いに応えるべく、猫のトイレまわりの除菌やニオイの発生抑制のための研究及び商品開発を推進していく構えだ。
(宮園奈美)