内閣府の国民生活に関する世論調査で、今後の生活見通しについて、今後も同じようなものとの回答が58.2%、良くなっていくは6.6%、これに対し、32.3%は悪くなっていくと回答していることが分かった。
悪くなっていくは昨年6月の調査(36.9%)に比べ、4.6ポイント減少したものの、約3人に1人が依然厳しい見通しをしている。特に自営業者と家族従事者はそれぞれ37.2%、36.7%が悪くなると回答し、長引く景気停滞で先行きに不安を感じている零細業者の多さが窺われた。また、職業別では生産・輸送・建設・労務職で高くなっていた。
一方、世間一般からみての生活程度についての自己評価では「中の中」とする人が1980年から50%台で推移し続けており、今回の調査でも53.7%が「中の中」と回答。中の上(11.3%)を合わせると65%が中流レベルの生活をしているとの意識を持っていることも分かった。ちなみに「中の下」は25.2%、「下」は6.3%、「上」は1.2%だった。
この調査は現在の生活や今後の生活、生き方、政府への要望などを把握し、政策の基礎資料にするため、全国の20歳以上の男女1万人を対象に今年6月4日から21日にかけて調査員が個別面接聴取方式により実施した。6252人から有効回答を得ている。
それによると、昨年の今頃と比べ、生活はどうか、について63.1%は同じようなものと回答。昨年調査時に比べ1.8ポイント増加した。逆に、低下しているは34.1%から今回は33.6%と0.5ポイント減少。一方で、向上しているも4.4%から今回2.8%と1.6ポイント減少した。
日常生活での悩みや不安についての質問では悩みや不安を感じていない人は30.4%にとどまり、68.9%の人は感じるとしていた。その中身は、老後の生活設計が54.9%で最も多く、次いで、自身の健康(49.2%)、今後の収入や資産の見通し(43.9%)家族の健康(41.4%)などだった。
今後の暮らしについて、毎日の生活を充実させて楽しむか、貯蓄や投資など将来に備えるか、いずれに力点を置くかの質問には「毎日の生活を充実させて楽しむ」が59.1%と6割近くを占め、「貯蓄や投資など将来に備える」は31.2%にとどまった。1986年に、将来に備える人より、毎日の生活の充実をあげる人が上回って以来、「毎日の生活の充実」をあげる人の方が多い状態が続いている。
(編集担当:福角忠夫)