放火殺人や殺人など凶悪・重大犯罪の公訴時効のあり方を検討してきた法務省は「殺人罪など重大な生命侵害犯について、法定刑の重い罪の公訴時効を廃止し、これ以外の罪についても公訴時効期間を延長する方向で見直すのが相当」との方向性を打ち出した。
この場合「廃止・延長の対象犯罪の範囲や延長する場合の具体的年数など、方策の詳細や廃止する場合に捜査を行ううえで、時間的制限がなくなることにより生ずる問題への対応などについて更に検討する必要がある」としている。
また、刑の時効についても「公訴時効の見直しの内容に整合するよう見直すことを相当」としており、刑の時効についても見直す方針。
このほか、現在時効が進行中の事件に対して適用することについて「憲法上許されるのではないか、と考えられるが、当否を含めて慎重に検討する必要がある」としている。同省刑事局では「今後、さらに慎重に検討していきたい」と話している。
公訴時効の見直しについては、親族を殺害された被害者家族らが殺人事件での時効廃止を求めるなど、加害者が時効制度で刑事罰を受けることなく生活していることへの不満や怒りの声もあり、犯罪抑止の面からも見直しを求める声があがっている。
(情報提供:エコノミックニュース 編集:福角忠夫)