木質バイオマスからエタノール製造へ共同研究

2009年07月16日 11:00

 日本製紙グループの日本製紙ケミカルとコスモ石油、東京大学、九州大学が亜硫酸脱リグニン法を用いて木質バイオマスから効率的にエタノールを製造するための生産プロセスの構築をめざした研究を行う。共同研究期間として2年をみている。

 亜硫酸脱リグニン法は日本製紙ケミカルによるとパルプ製造法のひとつで、国内では同社だけが工業利用しているという。

 「木材中の接着成分(リグニン)を可溶化することにより他の成分(セルロース、ヘミセルロース)から分離し、同時にヘミセルロースの加水分解を伴うので、バイオエタノール製造における前処理技術としても有用」としている。

 日本製紙ケミカルとコスモ石油は昨年4月からバイオマスエタノール製造に関するフィージビリティ調査を行い、「木質原料を利用する第二世代バイオマスエタノールの製造について、技術課題が明らかになったことから、課題の解決をめざして、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構の新エネルギー技術研究開発のテーマ(バイオマスエネルギー先導技術研究開発)に応募し、委託先として採択された」と経緯を説明。東大からは農学生命科学研究科の松本雄二教授、九州大学からは農学研究院の割石博之教授が参画する。
(情報提供:エコノミックニュース 編集:福角)