「中核都市の公共入札ではダンピングが横行しており、そのしわ寄せを孫請事業者などが受けている。公取は下請だけでなく、孫請事業者の実態も調べるべきだ」など公正取引委員会が地域の実態経済に詳しい有識者として委嘱している独占禁止政策協力委員(全国で150人)のブロック会議で提起された意見を同委員会が集約。7月15日、公表した。
これは政策をより実効性の高いものにするため、政策や法の運用に関する意見を聴取しているもので、今回公表されたのは、今年5月から6月に全国9箇所の地域ブロックで開催された会議での意見。
「公共工事の減少に伴い地元業者が疲弊しているところへ、大手業者が安値受注し、対抗できずに地元建設業者が更に衰退している。競争入札の原則は分かるが、地元業者育成の観点から優先発注や予定価格に対する適正な利益確保への配慮はできないのか」「親事業者から下請業者に様々な圧力がかかっているとの声が聞こえてくる。公取は下請法の運用をより一層厳格に行っていただきたい」など中小零細事業者が置かれている厳しい実態が浮かび上がる内容だった。
また、公共調達で導入されている「総合評価方式」について「価格以外の品質要素などにおいて発注者の意向などが入り、恣意的との印象を受ける。公取で公正性・透明性を確保できる方法を示していただきたい」と総合評価方式の基準など、評価に対する透明性を高める必要性を求める意見もあった。
(情報提供:エコノミックニュース 編集:福角忠夫)