公正取引委員会はコンビニ業界最大手のセブンーイレブン・ジャパンがフランチャイズ加盟店に対し、同社の経営相談員を通じ、優位な立場を利用して、推奨品のうち品質劣化などを生じやすい食品や飲料など毎日納品されるデイリー商品の「見切り販売」を加盟店側が自らの判断で販売できないようにするとともに、加盟店で廃棄された商品の原価相当額の全額を加盟店に負担させていた、として改善するよう6月22日、排除措置命令をセブンーイレブン・ジャパンに行った。
今回の廃棄商品について、公取が無作為抽出した加盟店約1100店舗を調べた結果、廃棄処分された商品の原価相当額は1店舗あたり、2007年3月1日から2008年2月29日までの1年間で平均約530万円になっている、と指摘。
加盟店側が販売期限の迫っているデイリー商品を自らの判断で見切り販売していたり、しようとしていることを知ると、経営相談員などを通して、見切り販売を再び行わせないようにしたり、予定を止めさせたりすることにより、(店舗経営者から)「原価相当額の負担を軽減する機会を失わせている」と指摘。独占禁止法違反行為として排除措置命令を行ったもの。
これに対し、セブンーイレブン・ジャパンは「見切り販売の制限は本部と加盟店の間で全体的、日常的に発生した事象ではないと認識している。排除命令については真摯に受け止め、改善すべき点、反省すべき点があれば早急に是正、実施するが、今後、命令内容を検討したうえで、対応を決めたい」とのコメントを発表した。
同社では5月末現在で1万2323店舗のセブンーイレブンがあるが「見切り制限をしていたとして公取から説明を受けた店舗数は34店舗だった」「安易な見切り販売は中長期的に加盟店の利益にならない」「本部は年間に約1200億円、1店舗あたり約1061万円の支援を加盟店に行っている」「フランチャイズビジネスでの明確な役割分担に基づき、発注する商品、数量の決定権は加盟店にあり、営業活動で発生する廃棄ロスは加盟店の負担になっている」など、加盟店との費用分担に関する合意によるもので、加盟店側が廃棄商品の原価相当額を負担することには合理的根拠があるとの趣旨を説明している。
公取によると、昨年2月29日現在で、同社の直営店(約800店舗)と加盟店(1万1200店舗)は1万2000店と国内最大規模になり、2007年3月1日から2008年2月29日までの1年間の売上高は2兆5700億円(直営店約1500億円、加盟店約2兆4200億円)に上る国内最大手のコンビニエンスストアフランチャイズ事業者としている。
(情報提供:エコノミックニュース 編集:福角忠夫)