NTT Com、新サービス基盤構想の第一弾実証実験を開始

2009年06月04日 11:00

 NTTコミュニケーションズは、2009年6月2日よりクラウドコンピューティングを実現する新しいサービス基盤構想”Setten”の実証実験の第一弾を実施している。

 このクラウドコンピューティングとは、ネットワーク上に広がるサーバー群(コンピュータ)を使って、利用者に情報サービスやアプリケーションサービスを提供する、コンピュータの構成・利用に関する考え方。企業のICT環境においては、導入の容易さやコスト削減などの観点から大いに注目が集まっている。

 新しいサービス基盤構想”Setten”の特長としては、いつでもどこでも、多様なアクセス手段によるサービス基盤への接続が可能であるということ。また、既存のネットワークを活用することで、新たな投資を抑え、コストの削減を実現。さらに通信事業者の強みを活かし、ネットワークからシステムまで高品質・高信頼で運用。ビジネスパートナーとの連携を深める、社外環境とのオンデマンドな接続。仮想化環境の一元的な運用による、企業のICT運用負担の軽減などが挙げられる。

 実証実験の概要としては、国内外を問わず、接続環境を選ばないワークスタイルの実現へ向け、仮想デスクトップによるリモートオフィス環境を構築するという。流通業やNPO団体、教育機関のほか、グローバルに展開する企業など15社の協力を得てシステムの操作性や使用感、業務をサービス基盤上で実施するにあたっての課題、今後追加を検討すべきSaaSアプリケーションなどを検証していく。

 09年度内には、得られた結果を元に、具体的なサービスの提供を開始予定。今後は、同社で開発中の新技術や、NTTの研究所で開発中のクラウド技術、市中の関連技術をユーザーのニーズに応じて追加するほか、アプリケーションインターフェース(API)の公開による、多くのSaaSアプリケーションの接続、全てのNTTコミュニケーションズサービスの接続などを実現することで、更に多彩なクラウドコンピューティングサービスの実現を目指すという。
(情報提供:エコノミックニュース 編集:宮園奈美)