厚生労働省は医薬品の通販について、6月1日以降は「第3類医薬品以外は販売できない」としていたが、離島など居住地に薬局がない人や現在、医薬品副作用リスク表示で第2類に該当する医薬品を通販で購入使用しており、その医薬品についての情報提供を要しないとの意思が利用者から確認できた場合に限り、ネット販売など医薬品の通販について6月1日以降も、2年間に限り「第2類医薬品の通販を認める」措置をとる方針を固めた。現在、これに伴う改正省令案を公開し、5月18日までパブリックコメントを募っている。
厚生労働省では「2年の経過措置の間に、(医薬品は安全性確保のためにも対面販売が原則との方針に沿った)環境を業者側にも、購入者側にも求めていきたい」意向。
これは、ネットでの医薬品販売など医薬品の通販については「第3類医薬品に限り認める」とする省令が2月6日に公布された当初から、現在、第2類医薬品などを通販で購入している利用者やネット業者、伝統薬販売業界、薬局のない離島居住者らから弊害が大きすぎるとして、省令の見直しを求める声が相次ぎ、舛添要一厚生労働大臣が直接に指示し、弊害の改善策を探るために省令に賛否の意見を有する業界代表者や専門家ら19人からなる「医薬品新販売制度の円滑施行に関する検討会」(座長・井村伸正北里大学名誉教授)を2月24日に立ち上げ、5月11日までに6回にわたって検討を重ねてきたもの。
厚生労働省では、医薬品の安全性確保を最重点に販売制度の見直しを図るための薬事法改正に着手してきただけに、「医薬品販売は対面販売が原則」との姿勢を変えていないが、例えば、東京在住で大阪から医薬品を購入している利用者の声(郵送してもらえなくなれば、わざわざ大阪に行かねばならなくなる。費用も時間も大変で、実際難しい)など実際に現在利用している消費者の声など、切実な状況も考慮し、2年間の経過措置をとることにした。
改正省令案では離島居住者に対して、薬局開設者は薬局製造販売医薬品と第2類医薬品を郵便などで販売することができる。また、店舗販売業者は第2類医薬品を郵便などで販売することができる。いづれの場合にも販売記録を作成のうえ、保存すること。また、この場合、離島居住者に郵便などで販売する旨を離島の名称とともに、所轄の行政担当機関に届ける必要がある。
また、現在、薬局製造販売医薬品を郵便などで購入している利用者の場合、あるいは第2類医薬品を購入している利用者の場合、情報提供を要しない旨の確認がとれれば郵便などで販売しても良い。ただし、販売記録を作成し、保存するとともに、郵便などで販売することを所轄の行政担当機関に届ける必要がある。厚生労働省ではこの経過措置をとるための改正省令を6月1日から施行する方針。
(情報提供:エコノミックニュース 編集:福角忠夫)