水産関連企業倒産 年度半期では10年間で最多

2012年10月16日 11:00

 第一次産業を支えてきた水産業界が苦境に立っている。帝国データバンクは15日、「今年度上半期の水産関連企業倒産が92件になり、年度半期ベースでは過去10年で最多記録になった」と発表した。これまでの記録はリーマンショックのあった2008年度下期の90件だった。

 帝国データバンクでは背景について「ここ数年の急激な円高による為替デリバティブなどの損失や大震災による流通の混乱、消費低迷」をあげ、東北地区については「漁業は復興に向かっているものの、加工工場はいまだに体制が整わず、本格回復には時間がかかるとの見方もある」などから、今後の倒産についても「しばらく高水準で推移する可能性が高い」と警戒感を強めている。

 調査では漁業、養殖業、水産加工業、水産卸売業、水産小売業を対象に負債1000万円以上の倒産を集計、分析した。

 その結果、水産卸が51件と全体の55.4%を占めた。次いで水産加工が22件、水産小売が11件、養殖業と漁業がそれぞれ4件となった。負債額は総額で278億6700万円となった。(編集担当:森高龍二)