大衆薬のネット販売 省令施行前に見直し?

2009年02月12日 11:00

 「一般用医薬品(大衆薬)の通信販売は業界の方々だけで解決する問題ではありません。国民の生命を守るという話ですから。薬の問題というのは」(舛添要一厚生労働大臣)。

 一般用医薬品のインターネットなどでの通信販売について、厚生労働省は副作用リスクの最も低い「第3類医薬品」に限って認めるとの省令を今月6日公布したが、舛添要一厚生労働大臣は「(現在、第2類医薬品を通販で購入し、利用しているなど)身体障害者の方や紫外線に障害があって外を歩けない方などをどうするのだという問題がある。これはきちんと手当をしないといけない」と通販で認める医薬品を第3類医薬品に限る省令に対し、弊害のあることを提起するとともに、「ネットで大量の睡眠薬を購入して自殺未遂を図るとか、実際そういうケースがある。両方大問題です。この両方に対する答えをどうすればいいか」と医薬品の通信販売の危険性についても課題を提起。厚生労働行政のトップ自ら、今回の省令に疑問と課題を投げかけるという異例の事態を招いている。

 舛添大臣は、こうした課題を解決するため「精力的に議論し、この省令でやはり不備があるというのが大体のコンセンサスになればそれは変えればいい」と語り、議論するための大臣直属の検討会を今月中に立ち上げるとともに、今回の省令施行(6月1日)前にも省令を見直すことはありうる、との考えを示した。

 舛添大臣は、省令公布前の議論について「一つの場に(規制賛成・規制反対という)両方の御意見の方が来て、本当に真摯に議論を尽くすということはあまりなかったような気がします。それぞれ別個に私の所に来ました。だけど、国民の目の前で堂々と議論をするということがあっても良いと思いますのでそういう場を提供するということです」と検討会立ち上げの理由を説明。「一般用医薬品の通信販売は業界の方々だけで解決する問題ではありません。国民の生命を守るという話ですから。薬の問題というのは」と語り、検討会のメンバーについては「ネット販売に賛成、反対の方、それぞれ薬剤師の方を含めて関係の皆さん、国民の代表にも入っていただきたいと思っております」と早期立ち上げに準備がほぼ出来ていることを明かした。