与党の来年度税制改正大綱を評価 経団連会長

2008年12月15日 11:00

 御手洗冨士夫日本経済団体連合会会長は、与党が示した平成21年度税制改正大綱について「世界同時不況の危機に直面する中で、今回の税制改正大綱では、投資促進や証券市場活性化に向けた多くの措置が盛り込まれた」と評価するとともに「住宅取得や企業の省エネ投資促進、証券市場の活性化、海外子会社の利益を国内に還流させやすくする税制などが迅速に施行されて、景気の下支えとなることを期待する」とのコメントを発表した。

 税体系の抜本改革に関しては「一応の道筋が示された」とし、「安心できる社会保障制度の確立に向けた消費税の拡充や、景気低迷の中で日本企業が国際競争に打ち勝つための法人実効税率の引き下げなどについて、できるだけ早期に実現して頂きたい」としている。

 与党の税制改正大綱では、住宅ローンについては10年間税額を控除(減税額は最大600万円)する、としているほか、長期優良住宅を新築した場合には所得税を軽減。2009年度と2010年度に土地を購入し、5年を超えて保有した場合には土地譲渡益の一部を非課税にする、などとしている。

 また、中小企業を支援する策として、法人税の軽減税率を現行の22%から18%に引き下げる。事業継承の円滑化を図るため、継承する株式の8割の相続税を納税猶予とする。証券優遇税制を2011年まで延長するなどを柱にまとめている。

 経団連では住宅取得促進税制をはじめとした内需拡大刺激策の実施などを早くから提言、要請をしていた。また、消費税については5%を10%に引き上げ、国が7%、地方が3%になる税の配分を行うことにより、社会保障制度の機能強化と地方財源の安定的確保を図る必要があるとしている。