周産期医療 大学病院でも時間外は医師2・5人

2008年12月12日 11:00

 文部科学省は周産期医療体制が大きな社会問題になっていることから、医学部を有する国公私立大学が設置する大学病院134病院(本院79病院、分院55病院)のうち、周産期医療を行っている113病院(本院79病院、分院34病院)の調査結果をまとめ、公表した。

 その結果、大学病院における周産期医療に従事する医師の診療時間内での1病院当たりの平均人数は小児科系で6・6人、産婦人科系で8・3人だったが、診療時間外となると小児科系・産婦人科系をあわせても2・5人で対応しており、医療現場の厳しい現実が改めて浮き彫りになった。

 アンケートで寄せられた意見では(1)産科医、新生児科医、麻酔科医及び周産期医療に従事するスタッフ(助産師・看護師など)が不足している(2)低出生体重児の増加等に伴い、NICU病床が不足している。(3)長期間NICUに入院している超重症児に対応できる後方施設の拡充が必要(4)地域の実情に応じた分娩施設の集約化・機能分化の明確化が必要(5)総合周産期母子医療センターでは、通常分娩を扱わないなど役割分担が必要(6)保育所設置、産休育休時等の際の人員調整など、女性医師支援が必要(7)周産期医療に従事する医師、助産師、看護師等の人材養成教育システムに対する財政支援が必要(8) 周産期医療や教育環境整備のための施設・設備に対する財政支援が必要(9) 周産期医療に対する診療報酬上の適切な評価が必要、など医療現場の切実な声が、早期解決が迫られる課題として上がっていた。