無保険状態の児童救済へ 民主ら3党法案提出

2008年12月01日 11:00

 世帯主が国民健康保険料を納めていないために、無保険状態になり、治療費が高額になるために必要な医療サービスを受けられない児童が3万3000人(民主党調べ)いるとして、こうした児童を救済すべきと、民主党と社民党、国民新党が共同で「国民健康保険法の一部を改正する法律案」(国保無保険児童救済法案)を衆議院に提出した。

 無保険状態になっているのは世帯主の責任で、経済能力のない児童に責任があるわけではなく、児童救済については、その必要が世論としてもあがっていた。

 改正案では「国民健康保険料の滞納により被保険者証の返還を求められた世帯主が被保険者証を返還した場合、その世帯に属する18歳未満の被保険者については市町村や特別区はこの世帯主に対して、該当する被保険者にかかる被保険者証を交付すること」として、児童救済のため、保険証を取り上げないでそのまま残しておく措置をとるようにする。

 一方、保険料滞納をできるだけ解消するため法案では「国民健康保険の保険料については、減免制度等の十分な周知を図ること等を通じて滞納を防止し、特別の理由があると認められないにもかかわらず滞納している者からの実効的な徴収の実施を確保するため、必要な措置が講ぜられなければならない」とする規定も設けている。

 山井和則衆議院議員(民主党)は、「(厚労省が)病気をしている児童が医療にかかれない実態を知りながら放置し続けること。これは国家による児童虐待にあたると感じざるを得ない。地方に責任を押し付けるのではなく、国がリーダーシップを発揮しなければならない」とし、全党一致で今国会での早期成立を目指すとしている。