脳死段階での臓器移植 提供したい43・5%に

2008年11月14日 11:00

 内閣府が行った臓器移植に関する世論調査で、自分が脳死と判定された場合に心臓や肝臓などの臓器を提供したいと思うかでは、提供したいと思うとの回答が43・5%と前回調査(平成18年11月の調査、41・6%)に比べ、1・9ポイント増加。逆に、提供したくないとの回答は24・5%と前回(27・5%)より3ポイント減少。臓器提供への心理的抵抗感がやや薄れ、提供に理解を示す人が若干ながら増えていることが分かった。

 これは、臓器移植に関する国民の意識を把握するため、今年9月11日から21日の間に全国の20歳以上の男女3000人を対象に個別面接調査府式により行われもので、1770人から回答を得ていた。

 それによると、心臓停止後に自分の臓器(腎臓や眼球など)を提供したいと思うかでは、提供したいが44・7%、提供したくないが25・4%と前回に比べ、提供したいで2・4ポイント増加し、提供したくないは4・0ポイント減少していた。都市別では提供したいという人が大都市になるほど増えた。また、年齢別では20歳代から40歳代で提供したいという人の割が高くなり、提供したくないは60歳代や70歳以上で高い割合になっていた。

 次いで、家族の誰かが脳死判定された場合、本人が脳死での臓器提供の意思を書面によって表示していた場合、その意思を尊重するかどうか、では尊重するが81・5%。尊重しないは11・2%になり、大方の家族は本人の意思を尊重することが分かった。さらに、心臓停止後の家族の臓器提供についてでは、本人が臓器提供の意思表示をしていた場合、その意思を尊重するとの回答が81・5%、尊重しないは11・0%と、脳死後とほぼ同じ傾向になっていた。