三菱電機が、中国における放電加工機・レーザー加工機・数値制御装置(CNC)などの産業メカトロニクス製品のアフターサービス体制強化の一環として、サービス部品(保守部品・消耗品)の調達・修理・販売を行う新会社を設立し、営業を開始したと発表。2015年度には売上高15億円を目指す。
中国では、現地での需要増加と日本・台湾・韓国企業等の進出に伴い、放電加工機・レーザー加工機・CNC工作機械の設置台数が増加している。その為、今後アフターサービス対象台数の大幅な増加が見込まれることから、日本国内のサービス会社(菱電工機エンジニアリング)にて蓄積されたサービスノウハウを中国に水平展開すべく菱電工機技術(大連)有限公司を設立。中国内での部品修理機能を実現するとともに、サービス部品の現地調達を拡大・迅速化することによりアフターサービス体制強化を図り、また、中国生産品用保守部品のグローバル供給拠点としても活用するという。
労働賃金の高騰、成長の鈍化、日中関係の悪化などのマイナス要素が目立ち、中国での新しい動きを始めることに首を傾げる人は少なくないのではないだろうか。経営が悪化しても、雇用を確保したい中国側当事者や現地行政機関からの反対などで、容易には撤退できない現状をテレビが報じるなど、中国進出のデメリットも広く報道されている。しかし、9月26日には参天製薬が医薬品販売の新会社を設立するなど、中国に進出する企業は後を絶たない。現地日本企業からのニーズが強いということもあろうが、それだけではなく、市場の巨大さが持つ魅力がデメリットを凌駕しているということであろう。帝国データバンクの調査によると、2012年8月末時点で中国進出が判明している企業は14394社。その内、年売上高が1億円以上10億円未満なのは5156社であり、10億円未満の中小企業の4社に1社が赤字になっているという。こうした環境下、あえて中国進出をした各企業が今後どういった動向を見せるのか、目が離せないであろう。