国立大など職員から理事で34年勤務 退職金額は

2008年08月01日 11:00

 東京大学など国立大学法人(86法人)と大学共同利用機関法人(4法人)の90法人について、公表された平成19年度分の役職員の給与等の水準を文部科学省がとりまとめたところによると、総人件費は9361億8061万9000円となり、行政改革の推進に関する法律に基づいて平成18年度以降、5年間で5%以上の人件費削減を目指してきた結果、基準額(平成17年度の人件費予算相当額、9967億9165万2000円)に比べ、606億1103万3000円削減できていることが分かった。

 文部科学省では「国立大学法人等においては、新規採用の抑制などの取組みにより、人件費の削減の取組みを行っているが、国立大学法人全体の平成19年度における人件費削減の取組み状況をみると、基準額を6・8%下回っている状況にある」としている。

 具体的な内容をみると、法人の長など常勤役員の報酬支給状況では、法人の長が1853万7000円、理事が1450万9000円、監事が1234万2000円となり、18年度に比べ、法人の長と理事がそれぞれ、49万3000円、8万6000円、率にして2・6%、0・6%減った。監事は31万1000円、2・6%増えている。

 退職金をみると、19年度中に法人の長は20人、理事が48人、監事12人が退職していた。平均在職期間は長が3年6ケ月、平均支給額は587万8000円。理事では2年8ヶ月、365万円だった。ただし、理事48人のうち、37人は職員から引き続き理事に就任しており、職員時代からの平均在職期間は34年となり、退職金の平均支給額は4786万4000円にのぼっていた。監事は3年4ヶ月の在職で、平均支給額は337万7000円だった。