KDDIが「オンデマンドバスシステム」実証実験の通信分野に参画

2012年10月10日 11:00

 KDDIが、10月10日よりトヨタ自動車と岩手県釜石市が共同で実施する「オンデマンドバスシステム」の実証実験において、通信分野で参画すると発表した。

 「オンデマンドバスシステム」は、仮設住宅地において、利用者が希望する場所や時間に利用できる乗り合いバスを運行し、復興に伴い変化する街の交通事情に追従できる交通システムの構築を目指すもの。トヨタ自動車がオンデマンドバスの運行のベースとなる「オンデマンド交通システム」を提供し、釜石市が同市所有の小型バスでオンデマンドバスの運行を行うという。

 このオンデマンドバスシステムに対しKDDIは、豊田市低炭素社会システム実証実験等での成果を活用し、オンデマンドバスの車内や釜石市内の公共施設などでバスの運行状況や予約状況を分かりやすく情報提供するためにタブレットや通信端末を設置。さらに、電話を設置していない仮設住宅の居住者に対して、バスを予約するための専用端末の貸し出しを行うという。

 これまでにも、釜石市で開催された岩手県総合防災訓練に積極的に参加するなど、同市と良好な関係を築いてきたKDDI。さらには、今年10月から社員を常駐派遣し、釜石市が策定した復興まちづくり基本計画「スクラムかまいし復興プラン」の実現に尽力している。一方で、昨年の震災で被災したのは釜石市だけではない。復興支援を実施していることを単にアピールするための活動とならぬよう、今回の実証実験のようにKDDIが参入しやすい取り組みが実施されている自治体だけでなく、一つでも多くの被災自治体において同様の取り組みが実施されることを期待したい。