軍縮・不拡散外交での重要課題は北朝鮮

2008年04月04日 11:00

 外務省が全国の20歳以上の男女2000人を対象に行った日本の軍縮・不拡散外交に関する意識調査で、回答のあった2人に1人が、世界各国で取り組むべき重要課題として「北朝鮮の核開発問題」(54・9%)をあげ、3人に1人が「5核兵器国による核軍縮の推進」と考えていることが分かった。

 調査は今年1月11日から27日にかけて調査員による個別面接聴取方法で実施され、1301人から有効回答が得られた。

 それによると、核兵器不拡散条約があることを知っているかどうかでは、59・3%が知っていた。この条約が国際社会の安定と平和に役立っていると思うかでは、47・5%が役立っていると回答。一方で役立っていないという回答も31・1%と高かった。役立っていると思う理由では56・0%が「この条約がなかったら、どの国も核兵器を持ってよいことになり、世界の安全が脅かされるから」としている。役立っていないという回答では「この条約があっても、北朝鮮やイランなどの核問題が起こっているから」が72・5%、「インドやパキスタンのようにNPTに加入せずに核兵器を保有する国があるから」が54・2%、「現在の5核兵器国の核兵器独占を許す不平等な条約であるから」が40・0%と、これらの理由をあげる回答者が目立った。

 また、軍縮に関する条約を交渉する場としてジュネーブ軍縮会議が活動していることを知っているかでは、知っていたのは28・1%にとどまり、42・5%は知らない、29・4%は具体的に何をしているか知らないと7割以上が知らないことが分かった。

 一方、日本が昨年の国連総会で核兵器の全面的廃絶に向けた取組みを呼びかける決議案を提出し、採択された意義については、70・0%が意義があるとした。また、日本が軍縮や核兵器不拡散についての教育や啓発にリーダーシップを発揮していくべきかどうかでは、73・5%が発揮すべき、と積極的な取組みを求めていた。また、市民の理解を深めるための有効な手段として、テレビをあげた人が68・5%と圧倒的な支持を得ていた。