国税319億円が政党に 今年度の政党交付金

2008年04月03日 11:00

 国民1人あたり250円を負担して政党に交付される政党交付金の平成20年度の総額と各政党への交付金額が決まった。政党への配分は議席数と選挙時の得票数で決められている。共産党は制度そのものに反対しており、政党交付金は受け取っていない。第1回交付は4月18日に行われる。

 総務省が公表した決定額によると、総額は319億4199万5000円。自由民主党が158億4263万8000円で政党交付金の49・6%を占める。民主党は118億7848万9000円で政党交付金に占める割合は37・2%、公明党は27億3072万9000円(政党交付金に占める割合は8・5%)、社会民主党は9億229万5000円(2・8%)、国民新党は3億8395万5000円(1・2%)、新党日本は2億388万9000円(0・6%)になっていた。

 参議院で議席を減らした自民党は前年より7億5319万9000円減少。公明党も7534万1000円減少し、社会民主党も6592万8000円減少した。逆に、参議院で躍進した民主党は8億1466万5000円増額。国民新党も5455万2000円増えた。新党日本も2524万9963円増えた。

 政党交付金の対象は国会議員が5人以上いるか、衆議院、参議院の選挙で全国を通して2%以上の得票率をもち、国会議員を1人以上有することとなっている。また、政党助成法では政党の政治活動の自由を尊重する趣旨から交付金の交付にあたって条件をつけたり、使途の制限をしてはならない、としていることから、使途についても課題を多い。

 交付金制度そのものに反対している日本共産党は機関紙「しんぶん赤旗(2007年7月27日号)」で交付金は「選挙違反対策の弁護士費用から、除雪費、ストーブ代、カーナビ代、議員研修費の名目による料亭での飲み食い費、携帯電話のストラップ代など」にも使われてきたと報道。政党助成法に基づくこの政党交付金について「政治家個人への企業・団体献金の禁止と引き換えに導入されたものだが、政治家が支部長をつとめる政党支部で企業・団体献金を受け取り続けている」として、現在の交付金制度が本来の目的を果たしていないと指摘している。