体罰必要が約1割 高野連ショック 高校野球実態調査

2013年06月26日 16:42

 日本高校野球連盟は、全国の加盟校4032校の硬式野球部に対するアンケート調査を実施、今話題になっている体罰問題で、「体罰は必要」と言う高校が1割を超す結果に、ショックを受けている。このアンケート調査は、1998年から5年ごとに、実施しており、今年は4月に実施、回答者は、野球部部長、監督。質問は108項目で、回答率は、100%だった。

 今回初めて体罰問題を盛り込み、「絶対にすべきでない」「指導する上で必要」の2者1託で答える。その結果、1割以上が「指導する上で必要」と答えた。桜ノ宮高校バスケット部の部員が体罰により自殺を図り、この体罰問題が社会問題として話題になり、高野連は、加盟全校に体罰根絶の徹底を求める通達を出していた。その結果にショックを隠せないでいる。

 その他のアンケートは、プロ野球経験者による、高校球児の指導については、「希望する」が55%,「野球留学」については「問題ない」が「基準を設ければ」と合わせて45%、「好ましくない」が28%、1学年5人以下と言う制限がある、野球部特待生制度について「賛成」が47%、「もっと少なくすべき」が46%と拮抗しているのが目立つ。

 平日の練習時間は、4時間未満が41%と最も多く、次いで3時間未満の36%と続く。日曜・休日の場合は、7時間以上の33%が最も多く、次いで27時間27%と続く。

 高校球児のIT活用について初めての質問に、ブログや,ツイッターの利用は「部員の自由」が44%で、「高則や部で禁止」が約2割となっている。

 野球部員数は「100人以上」が5年前の1.1%から1.6%に微増。一方「10人未満」は5年前の2.6%から3.5%に大幅に増えている。

 特に印象的だったのは、女子部員はいますか?と言う質問に「いる」と答えた学校が、92校もいるということだった。これは今まで考えられない数字だった。このアンケート調査で浮き彫りにされたのは、現在の高校球児は、恵まれた環境で野球ができるということと、ひところのスポ根的な指導方針から、やや自由な気風が見えていることだ。しかし回答では現れていないが、勝利至上主義は依然として背景にあり、それが体罰は必要と言う観念から抜け出せないのであろう。

 これから夏の高校野球地方予選大会が始まる。この調査結果がどのように反映されるか注目してみたい。(編集担当:犬藤直也)