地球や自然環境への国民の関心高まる

2008年02月19日 11:00

 科学技術が今後どのような分野に貢献すべきだと思うかの問いに「地球環境や自然環境の保全」をあげる人(72・8%)や「資源・エネルギーの開発、有効利用やリサイクル」をあげる人(71・4%)がいずれも7割を超えていることが内閣府の世論調査で分かった。
 前回(平成16年2月)の調査結果に比べ、「地球環境や自然環境の保全」(65・3%が72・8%に)をあげた人の割合が65・3%から72・8%に上昇。環境への関心の高さを示していた。また、性別では「食料(農林水産物)の生産や健康の維持・増進」をあげた人の割合が女性で高くなっている。家庭の中でも食事や家族の健康管理に気を配る役割がまだまだ女性中心になっている状況や、偽装表示など食品問題が相次いで発生したことなどが写し出された格好だ。
 調査は内閣府の委託を受けた社団法人新情報センターが全国の20歳以上の男女3000人を対象に無作為で個別面接方式で実施したもの。1667人から回答を得ている。
 調査によると、科学技術についてのニュースや話題に関心があるかどうかでは「関心がある」が61・1%(「関心がある」21・6%+「ある程度関心がある」39・5%)、「関心がない」が33・7%(「あまり関心がない」20・2%+「関心がない」13・5%)だった。
 前回調査結果と比較して見ると「関心がある」とする割合が上昇(52・7%が61・1%に)し、「関心がない」とする割合が低下している(43・0%から33・7%に)。「関心がある」とする割合は男性で、「関心がない」とする割合は女性でそれぞれ高くなっていた。
 科学技術についての知識の情報源では「テレビ」が83・9%と最も高く、「新聞」(58・3%)、「インターネット」(19・2%)などの順になっている(複数回答)。前回の調査結果と比較すると「テレビ」の割合が低下(87・2%が83・9%に)し、「インターネット」の割合が上昇した(10・9%が19・2%におよそ2倍に)。
 このほか、科学技術の発展に伴い、どのようなことに不安を感じるかの質問には「遺伝子組換え食品などの安全性」をあげた割合が59・7%、「酸性雨や温暖化などの地球規模の環境問題」をあげた割合が57・0%と高く、次いで「サイバーテロ、不正アクセスなどのIT犯罪」(51・7%)、「個人のプライバシーに関する情報が悪用されること」(46・1%)などの順になっていた(複数回答)。
 前回調査結果と比較して見ると「酸性雨、温暖化などの地球規模の環境問題」が8・3ポイント前回より増え、「サイバーテロ、不正アクセスなどのIT犯罪」も4・6ポイント増えた。「個人のプライバシーに関する情報が悪用されること」は6・9ポイント減少した。性別では「遺伝子組換え食品などの安全性」、「酸性雨、温暖化などの地球規模の環境問題」の割合は女性で高くなっている。年齢別に見ると「サイバーテロ、不正アクセスなどのIT犯罪」や「個人のプライバシーに関する情報が悪用されること」をあげた割合は20歳代から40歳代でそれぞれ高くなっていた。