食欲の秋が到来、続々登場するサツマイモスイーツ

2012年10月04日 11:00

 秋の味覚の代表格、サツマイモ。オリコンの調査による「秋を感じる商品ランキング」では、トップ10のうち4商品がサツマイモを用いた商品と、「秋らしい」素材を用いた商品の中でもっとも多くの商品がランクインしている。品種改良が進んだことから甘みも増し、スイーツでの利用も増加。大学イモやスイートポテトを始め、期間限定のものを中心に毎年多くの商品が登場している。

 コンビニスイーツも例外ではなく、ローソンは、オリジナルデザートブランド「UchiCafeSWEETS(ウチカフェスイーツ)」から、新作「ぎゅっとスイートポテト」を「ぎゅっとシリーズ」初の季節商品として数量・期間限定で発売。食感と味わいの異なる2種類のサツマイモを使ったこの商品は、上の層に種子島産の甘蜜芋(安納芋)「みつ姫」を、下の層にはホクホクとした食感を味わえるサツマイモを使用しており、さらに、プレミアムロールケーキに使用している純生クリームや卵といったシンプルな材料で、芋本来のおいしさを引き立てている。

 また、産学連携でもサツマイモを使用した商品を開発。常磐大学の学生と創業140年の老舗菓子メーカー「あさ川」が、共同開発した新商品の発売を開始している。サツマイモ餡をモチでくるんだ和菓子「ぷよもち」と、焼き芋ペーストを使ったカップケーキ「ポテトプリンセス」の2種類で、材料のメインに、いばらきエコ農産物の認定を受けた茨城町産のサツマイモ「紅あずま」を使用しているという。

 サツマイモを利用したスイーツには、大学イモやスイートポテト・きんつば・タルトなどが多いものの、昨今はさらにシンプルな加工しか施していない商品も人気を得ているようである。栗尾商店は、丁寧に手で切り、蒸かした鳴門金時を特製の蜜床に漬け込んで乾燥させた「鳴門うず芋」を今年も発売。創業から80年以上製造を続けているロングセラー商品となっている。また山田養蜂場からも、食べやすいようひとくち大にカットした鳴門金時芋を、完熟アカシア蜂蜜を使った蜜床にじっくりと漬け込み、やわらかさ・食べやすさを工夫した「ひとくちはちみつ金時芋」を販売している。

 菓子類は単価が安く買いやすいことなどから、比較的景気動向の影響を受けにくい傾向があるという。季節限定の商品であれば尚更であろう。しかし、先の「秋を感じる商品ランキング」によると、1位はキリンビールの「秋味」、2位は日本マクドナルドの「月見バーガー」となっている。企業努力の成果・広告効果でもあろうが、秋の味覚を利用していない商品が1位2位を独占することに一抹の寂しさを感じる人は少なくないだろう。秋ならではの食材を用いた商品に訴求力がない訳ではない。「季節限定」「定番」というだけではなく、何かプラスαを施した商品やプロモーションがなされることを期待したい。