メルセデス・ベンツCクラスの30年と「黒塗りのベンツ」

2013年07月18日 19:02

 メルセデス・ベンツCクラスが、「190クラス」を含めて発売から30年を迎えた。「190」時代には、やれ「小ベンツ」とか、「ベビーベンツ」と揶揄されたものだが今やメルセデス・ベンツを代表するクラスといってもいいだろう。現在なら「小ベンツ」、「ベビーベンツ」というのは、さしずめAクラスだろうが、そんな風に呼ぶ人はもうどこにもいないはずだ。思えば「ベンツ」というブランドもイメージを大きく変えた。かつては「黒塗りのベンツ」という言葉に象徴されるように、政治家などあまり一般的ではない職業の人が乗るクルマというイメージであった。時代は変わるものだ。

 メルセデス・ベンツ日本は、Cクラスの生誕30周年を記念して、安全運転支援システム、レーダーセーフティパッケージ(RSP)をベースモデルのC180を除き全車に標準装備する。RSPは、5つのミリ波レーダーセンサーと1つのカメラを用いて前方や左右後方の車両など障害物との距離や相対速度を測定し、自動的にブレーキを作動させ衝突の危険性を低減するもの。高精度のレーダーセンサーにより前方の危険を感知し、衝突回避をサポートするBAS(ブレーキ・アシスト・システム)プラスやPRE?SAFE(R)ブレーキ、ブレーキやアクセルを自動制御して、車間距離を適切に維持するとともに、先行車が停止した場合は減速して停止する渋滞追従機能を備えた「ディストロニック・プラス」などの様々なシステムにより、安全性を大幅に向上しているという。

 ところで、「190クラス」はイタリアのカーデザイナー、ブルーノ・サッコのデザインである。直線を基調とした流行に流されないデザインは、発売から30年を経た今見ても新鮮である。果たして現行のCクラスのデザインは2043年に新鮮だろうか。それは時間だけが知っている。価格はセダンが399万円~1085万円、ステーションワゴンが419万円~1105万円となっている。(編集担当:久保田雄城)