米国向け高級自動車市場で、日本の大手自動車メーカートヨタ<7203>、日産<7201>、ホンダ<7267>が激突、利益率の高いとされる高級車を主体に、火花を散らしている。これは新興国での価格競争に備える戦略と見られている。
トヨタは、インセンティブ(販売奨励金)を抑えているが、計画通りに伸びている。高級ブランド「レクサス」の販売台数は、1~6月期前縁同期比9.5%増の11万8415台と好調。7月から販売開始したスポーツタイプ「IS」も、米国販売の期待の商品。
日産は、北米での「インフィニティ」で、上期の販売台数は、3.9%と苦戦。しかしスポーツセダン「Q50」で米国から3500台の注文があり、昨年実績の12万台以上を目指す。
ホンダは、「RLX」上半期の販売台数が、5.5%野76981台と伸びている。年内にもハイブリッド車(HV)「RLXハイブリッド」の販売を開始するなど、新車攻撃をかける方針。
大手3社が注目するのは、米国高級車市場の伸長だ。米国市場に目を向けているのは、日本のメーカーだけではない。ドイツメーカーも米国市場に目を向けているのは同じ。冷え込む欧州での販売を補完する意味でも、ダイムラーやBMWなどが攻勢をかけている。高級車ブランドの「メルセデス・ベンツ」と「BMW」は、着実に米国市場を拡大している。
米国の高級車市場では、「レクサス」が圧倒的な品質力を武器に、1999年から13年連続でトップシェアを確保してきた。しかし東日本大震災による供給不足で、シェアを落として以来、ドイツの2強が強力なライバルとして浮上してきた。また米ゼネラルモーターズの「キャデラック」も好調で、競争が激化している情勢だ。(編集担当:犬藤直也)