麻生太郎副総理の憲法改正に絡んだナチス政権に対する発言への非難声明を安倍総理に手渡すため、民主・みんな・共産・生活・社民の5党国対委員長が7日、総理官邸を訪ねたが、官邸側はこれを拒否した。菅義偉官房長官は麻生副総理が発言を撤回していることから、発言はなかったものとして処理する意向で、政治問題化させたくない。このため、発言撤回で終了しているとの判断をしており、その姿勢から受け取るにあたらないとしたもよう。
民主党の高木義明国対委員長は「副総理の発言は国内のみならず国際的にも大きな問題」とし、官邸側の姿勢を遺憾とした。
非難声明は野党5党の代表が署名し、「ナチス政権の『手口に学べ』との発言は、ナチズムを肯定するまったく誤った認識に基づく釈明の余地のない暴言であり、国際社会でのわが国の信頼を傷つけた麻生総理の責任、任命権者である安倍総理の責任は極めて重大としているほか、(1)野党各党はもちろん、日本国民として到底同意できないものであることを国際社会に対し表明する(2)発言の撤回と遺憾の意の表明をもって一見落着とし国会への出席を拒否している与党の無責任な姿勢は国民への説明責任を放棄する暴挙(3)麻生副総理が日本を代表して国際会議に出席することは国益を損なう。麻生氏は副総理・財務・金融担当大臣を自ら辞任、または安倍総理が罷免すべきとしている。
麻生副総理は都内でのシンポジウムでの憲法改正に関わるナチス政権に触れた部分の発言が誤解を招いたとして、発言を撤回。安倍政権は撤回を持って解決済みとし、一切取り合わない姿勢をみせていた。(編集担当:森高龍二)