市町村は主に進める土地の所有者、地番、地目の調査と境界の位置、面積を測量する「地籍調査」が全国で50%まで済んだことが国交省の調べで分かった。土地が細分化され、権利関係が複雑な都市部では23%となかなか進んでいないことが浮き彫りになったほか、都道府県毎で進捗率が99%のところがある一方で、8%と一桁にとどまっているところもあるなど、開きの大きさも目だった。国交省は進まない大きな要因のひとつに「予算や人員に制約があることが背景にあるのでは」とみている。
国土交通省によると、全国土面積(37万7880平方キロメートル)から国有林野や公有水面などを除いた28万6200平方キロメートルについての地籍調査を進めている。内訳は人口集中地区の1万2255平方キロメートルと人口集中地区でないところの宅地(1万7793平方キロメートル)、農用地(7万2058平方キロメートル)、林地(18万4094平方キロメートル)。
このうち、農用地については5万2011平方キロメートルについて調査が終わり、進捗率は72%になった。林地で43%。宅地で52%まで終了した。一方、人口集中地区は23%にとどまっている。
都道府県別でみると最も進んでいるのは沖縄で99%、次いで佐賀(97%)、青森(93%)、岩手(91%)、宮城(88%)、香川(83%)など北海道、東北の太平洋側、九州で6割以上の進捗になっていた。一方、京都の8%をはじめ三重(9%)、大阪(10%)、奈良(12%)、滋賀(13%)、愛知(13%)、福井(14%)、石川(15%)、岐阜(15%)、神奈川(13%)、千葉(14%)など近畿、中部、北信越、関東地域で進んでいないことが浮き彫りになった。(編集担当:森高龍二)