シリアへの軍事介入 限定かつ短期の見通し

2013年08月31日 13:28

 シリアへのアメリカの対応が注視される中、佐藤正久防衛大臣政務官は31日、「米軍がシリアを攻撃するにしても、限定的かつ短期間の攻撃の可能性が高い」と見通しを示した。

 佐藤政務官は「(米軍側が一番被害を抑え、効果をあげる攻撃は)巡航ミサイルによる政権軍の化学兵器貯蔵庫などへの攻撃」(化学兵器を使えない状態にすること)とし、「イスラエルやイラク派遣米兵への報復攻撃などを思い留まらせるためにも、攻撃は限定的、短期間のものになる」とした。

 また、戦闘機による短期作戦には課題があると指摘。「戦闘機による空爆だとシリアの防空網を巡航ミサイルなどで破壊する必要性がある」などをあげた。

 日本政府は「シリアで化学兵器が使われた確立が高い。化学兵器の使用を許してはならない。こうしたシリア情勢の事態悪化を招いたのはアサド政権に大きな責任がある」と安倍総理はじめ、岸田外相、菅官房長官らがそろってアサド政権を批判。そうした認識の上に立って「各国と連携をしっかり深めていく」(岸田外相)とし、事態改善への努力を強調した。

 ただ、日米同盟が外交の基軸とする政府にとって、国連安保理の決議を経ないまま、米国がシリアに軍事介入した場合、アサド政権が化学兵器を使用した事実が立証され、人道上の大義名分があったとしても、米国政府への日本政府の対応は日米関係や国内の集団的自衛権の行使議論にも影響を与えそうだ。(編集担当:森高龍二)