政府は日本社会の所得格差について「どの程度の格差が許容されるかを一概に答えるのは困難だが、国民が納得できるものでなければならない」また「固定してはならない」との考えを示した。
長妻昭元厚生労働大臣が「日本社会の所得格差は社会が許容できる限界に迫っているとの考えか否か」など格差について質問主意書で政府の考えを質したのに答えた。政府は「頑張る人が報われるという社会の信頼の基盤を確かなものにしたい」としたうえで、「格差は国民が納得できるもので、固定してはならない」とした。
また「非正規雇用者が2000万人に上り、正社員との格差が深刻。この問題の深刻さについて、どう把握し、どのような対策を考えているか」には「平成24年就業構造基本調査で同年10月1日時点の非正規雇用の労働者数は約2413万人で、雇用者全体の数に占める割合も増加している。非正規雇用の労働者については自ら積極的に非正規雇用を選択する者もいるが、正規雇用の労働者と比較して雇用が不安定、賃金が低い、能力開発の機会が少ないといった問題がある」との認識を示し「人的資源の形成・活用にも問題が生じてきていると認識している」と深刻に受けとめているとした。
そのうえで「安倍内閣としては正規雇用を希望する非正規雇用の労働者の正規雇用化、人材育成、企業内のキャリアアップを支援する取り組み等の対策を推進したい」と回答した。(編集担当:森高龍二)