社会民主党は東京電力が福島第一原発での汚染水対策で地下水が原子炉建屋に流れ込むのを防ぐ「遮水壁の建設費を税金で賄うことに疑問がある」と汚染水対策に国が前面に出て行うべきとしながらも、費用について税金投入は最後の手段とした。
理由について、社民党は「東京電力に汚染水対策を任せることはできない。国が前面に出て責任を持って対策にあたるべきだが、東京電力は事故の対策経費を抑えるため、常に事態を過小評価し続けてきた責任がある」。また「事故直後に汚染水の海洋流出が露見した段階で馬淵首相補佐官(当時)が新たな地下水の流入を防ぐための遮水壁の建設を求めた際、東京電力は費用がかかりすぎるとして無視した経緯がある。国が責任を持つとしても東京電力がサボタージュしてきた遮水壁の建設費を税金でまかなうことには疑問がある」としている。
また、「福島第一原発事故の責任は東京電力にあり、事故処理に係わる費用は除染や賠償の費用と同様に、資産の売却、経営陣の報酬削減やリストラの徹底など東京電力自身の努力によってまかなうべきだ」とし「東京電力が負担できないのであれば法的な破綻処理を行い、株主や債権者等のステークホルダーの負担を求めるのが次の手段」とした。
社会民主党は、これらの段階を踏んで「それで足りない場合に、はじめて電力需要者(電気代の値上げ)税金の投入を検討する可能性がある」とした。
労働者の立ち位置にあるとの社民党でさえ「東京電力は7月に課長級以上の管理職5000人に一律10万円の一時金を支給するなどした」と中間管理職労働者への対応にも批判。「株主の権利や銀行の貸金も完全に守られている。いきなり国民に負担を回すのはまったく理不尽であり、到底認めることはできない」と安直な税金投入には絶対反対の姿勢を強く出している。(編集担当:森高龍二)