放射性物質の汚染水貯蔵タンクから300トンの汚染水が漏れ出た問題への対応が21日の原子力規制委員会・汚染水対策検討ワーキンググループで東京電力からあった。フランジ型タンクとされる今回のタンクと同じ300基のタンクをすべて目視点検するとともに、ベータ線量の測定で漏えい痕の調査をし、再発防止策を検討するなどとしている。
報告によると、東電はまず汚染水の漏えいが発生したタンクの残水を移して、その後に、漏えい発生の箇所の確認と発生原因を調査し、再発防止策を探るとしている。また、環境への影響調査や汚染拡大防止を図るため、漏えいエリアの周辺の土壌調査と汚染土壌の回収を行う。あわせて、タンクの水位測定やパトロール方法など、漏えい監視の精度をより高めるため、監視方法を改善することなどをあげた。
東電は報告のなかで「過去から微少漏えいが継続し、大半は土に染み込んでいる可能性がある」と300トンの汚染水の大半が地下に染み込んでいる可能性が高いとの見方を示した。地下水脈にまで流れ込んでいる場合には海への新たな汚染も懸念される。東電では「近傍の排水路を経由した海洋への漏えいなどについて、今後も継続調査する」とした。(編集担当:森高龍二)