千葉県内でのシェアトップの非鉄金属スクラップ卸業の吉中商事が22日までに東京地裁に民事再生法適用を申請した。負債額約99億円。
帝国データバンクによると、同社は「国内や海外業者から銅やアルミなど非鉄金属スクラップ原料を収集し、自社工場で解体・選別し、大半を中国の子会社を経由して中国非鉄金属精錬メーカー向けなどに輸出していた」という。
2008年3月期は年間売上高274億円になったが「中国子会社による在庫不正流出で債務超過に転落。その後もリーマン・ショックによる市場縮小や東日本大震災の影響から経営環境が一段と悪化した」としている。
帝国データバンクは「震災後、東京電力福島第一原発の事故に伴う放射能汚染の影響で野積みしていたスクラップが影響を受け、中国への輸出に大きな影響を及ぼしていた」という。2012年3月期の年間売上高は約48億円とピーク時の5分の1に落ち込むなど、資金繰りが悪化していたとしている。(編集担当:森高龍二)