自民党の石破茂幹事長は日本版NSC(国家安全保障会議)の設置について「国家安全保障に関係する閣僚、それを支える組織の整備を図ることを形にしたのが、日本版NSC」とし、「法案成立を信じている」と22日、NHK番組で語った。
日本版NSCについては磯崎陽輔総理補佐官が同日、同番組内で、総理、官房長官、外務大臣、防衛大臣。副総理も含めた構成で機動的に(安全保障問題に)対応できるようにするとともに、内閣官房に当初は数十人規模の専属事務局(国家安全保障局)を置き、情報分析などにあたるとした。
関連して、米英などのNSCとの情報共有などから情報の管理強化が必要とし、安全保障上の情報のうち、特に秘密性の高いものを特定秘密に指定し、漏えいした者に懲役10年の罰則を設ける国家安全保障に係る「秘密保全法案」について、石破幹事長は「報道の自由などにきちんと配慮したもの、基本的人権を侵害するものでないこと、(そのうえで)なぜ、秘密保全法が必要なのかを理解頂く努力をしていきたい」とし「公明党さんの主張、あるいは多くの懸念を示されている方々の意向に十分に配慮しながら進めていきたい」と語った。
磯崎総理補佐官は「安全保障に限定し、かつ機密性の高い情報の一部について管理を強化するというもので、秘密がどんどん増えるものではない。また公務員に対し厳しくするのであって、一般国民を対象にした法律では基本的にはない。公務員や自衛隊の装備を造る企業人らが対象になる」と説明。
磯崎総理補佐官は、知る権利との関係で「特定秘密情報は情報公開審査会、裁判所、国会(情報を出さない条件付)から要請があれば提出することにしている」とし「例えば、情報公開開示請求があった場合、すぐには見せられないが、情報公開審査会から求められれば提出する。そこで『こんな指定はおかしい』と万一言われた場合には、それが正当であれば、特定秘密の指定を解除して情報開示する」と語った。
あわせて国民の知る権利、報道の自由について、磯崎総理補佐官は「西山事件(外務省機密の漏えい事件)で最高裁は『取材については違法な行為を伴わないものであれば罰せられない』としている。盗み出したり、お金で情報を得たりなどのものでない限り、執拗な取材であっても、それは罪にならないとしているので、秘密保全法においても、これを踏襲したいと思っている」とした。
そのうえで、磯崎総理補佐官は「国民の知る権利や報道の自由について基本的人権の尊重ということで与党と議論しているが、明確な規定をおいた方が良いという指摘もあるので、与党との議論の間でつめていきたい」とより明確な位置づけを検討していく意向を示した。(編集担当:森高龍二)