昨年から注目度UPのレスベラトロールの今年の潮流は飲料への配合か

2012年09月18日 11:00

 昨年、テレビでその有用性が紹介されたことをきっかけに認知度が高まり、爆発的とも言える普及をみせたレスベラトロール。大手メーカーから中小メーカーまで、健康食品を扱うメーカーから相次いで商品が市場に投入された昨年と比べ、今年はサプリメントとして新商品を投入する動きは鈍いようである。一方で、粒タイプのサプリメントは嚥下能力の低下した高齢者等には飲用しづらいことを受けてか、最近は飲料としての商品展開が活発となっている。

 山崎製パンは、緑茶飲料にレスベラトロールを配合した「レスベラシー茶」を発売。製品1本(500ml)に、赤ワイン1杯分にあたる0.5mgの「レスベラトロール」と、ビタミンCを250mg配合した栄養機能食品となっており、日頃から健康を心掛ける人への訴求を図っている。毎日の食事とともに、運動時や入浴後などに手軽に飲めるよう、すっきりとした飲み口の緑茶飲料とのこと。さらにファインは、健康食品「レスベラトロール」をリニューアルするのに合わせ、ノンアルコールワイン「ファインレスベラワイン」を発売開始。レスベラトロールなどのポリフェノールを豊富に含んだ、機能性の高いノンアルコール飲料でありながら、ワインの風味に大切な甘み・渋み・酸味・苦味があり、食事にあう本格的なワインテイスト飲料だという。

 また、サプリメントとして粒タイプのレスベラトロールを展開している山田養蜂場は、同社が独自開発した「メリンジョ」由来のレスベラトロール類を配合した「うるおいブルーベリーカシス」を「ハニ―ドリンク」シリーズから発売開始。ブルーベリーとカシスのスッキリした酸味に、砂糖を一切使わず蜂蜜の糖分だけで作るという養蜂家ならではのこだわりを含んだ商品で、程良い甘さが継続飲用につながっている。また、濃縮タイプの飲料となっており、牛乳やヨーグルト・炭酸水で割るなど、多様な飲用方法も提案している。

 富士経済の調査によると、2011年のレスベラトロール市場は前年比484.4%の15.5億円と急拡大した一方、2012年はテレビ番組による特需が薄れてきており、前年比174.2%の27億円になると予測されている。サプリメントは様々な成分が登場しては消えていく、流行廃りの激しい市場でもある。高齢化が進んでいることもあり、レスベラトロールのもつ長寿促進という有用性は、まだまだ潜在需要が大きいであろう。レスベラトロールを一過性のブームに終わらせぬよう、今後もサプリメントとは異なる形での商品展開が進むのではないだろうか。