安倍晋三総理は21日の衆議院予算委員会で「さきの参議院選挙で自民、公明の連立与党を支持して頂いたみなさんに感謝申し上げたい。そのうえで、みなさんからの信頼は決して裏切ってはならない。期待に必ず応えていかなければいけないとの思いを新たにしている」と語った。自民党の石破茂幹事長から参議院選挙での結果の受けとめを聞かれて答えた。
安倍総理は投票率からは「政治が十分に信頼を回復するところにまで至っていない」との認識を示し、そのことは「我々は肝に銘じなければならない」と衆参両院で安定多数を占めたなかでも、投票率がさきの総選挙に比べてもあまり変わっていないとの事実から緊張感を持って、真摯に、謙虚に政治にあたる必要を語った。
安倍総理は「国民に約束したことをひとつひとつ積み上げていくことで信頼を回復していく」とした。また、「政治は国民のもの、それが政治の原点であり、しっかりつとめていきたい」と述べた。
石破幹事長は「参院選挙の投票率は50%、うち自民の得票率は40%、それで参議院の選挙区だけでは60%の議席を持った。このことを決して忘れてはならない」「我々は本当に国民の全幅の信頼を得たのかどうかということは、よく認識しなければいけない」「圧勝したことにより、あたかも国民の大多数が支持したかのごとく錯覚に陥ってはいけない」と安定多数の中での政権与党としての慎重な対応を自ら戒めるとともに、政府に同様の認識と姿勢が求められると政府に求めた。
石破幹事長は「国民の多くに理解を得られるように、丁寧に真摯に謙虚に、政権や党を運営していかねばならない。また、本当のことを言わなければならない。政権として抱えている課題について、デフレからの脱却、財政再建、社会保障の持続可能性の維持、エネルギー政策、食糧問題、安全保障、憲法。これらはもっと早くに答えを出しておかなければならないことではなかったか」と提起。
石破幹事長は「これを言えば票が減る、人気が落ちるなどと先送りしてきた課題に、いまこそ答えを出していくべき」とした。
安倍総理は「政治家が真実を語り、国民と問題意識を共有し、解決策など選択肢を提示し、自分はこの道をとっていくと正直に真摯に訴えていくことが政治への信頼回復につながる」と答えた。(編集担当:森高龍二)