来春の高齢者医療の見直しに着手することを契機に、政府は、個人や企業の負担増につながる改革に、本格的に乗り出す方針を固めた。
その一つ、医療や介護を中心とした、今後の社会保障改革の道筋を示した。プログラム法案を、国会に提出この臨時国会で、成立を目指す。プログラム法案は、あくまで今後の工程を示したもので、改革の入り口の、入り口だとしている。医療介護の負担増や、給付効率化と言う改革メニューは、分野ごとに、関連法の取り纏め作業が待ち受けている。
プログラム法案に盛り込んだ、政策で、まず政権の実行力を試すのが医療と言えよう。来春に予定している70~74歳の医療費自己負担、これまでの1割を2割に引き上げる。
また消費税率も来春8%に上がる。そうした増税と同じタイミングでの医療費負担増を考慮し、政府は、今、軽減措置の対象になっている人は対象とせず、新70歳のみを2割負担対象にする方向だ。
次いで介護。厚労省は、2015年度実施を見据えて、改革の取り纏めを検討しているようだ。夫婦で、年収360万円で、線引きして、それ以上なら一律1割の自己負担の割合を2割に引き上げることが柱となっている。
ただ高齢者向け支援を求める、与党側からすんなりOKのサインがでるかどうか未知数だ。
他の分野は、なお不透明な要素が多い。年金は抜本改革で先送り、子育て育児は痛みを伴わず、予算の配分に重きを置く。プログラム法案に明記した政策の実行だけでは、1兆円には到底達しないとの声が内部にもあるようだ。
政府の打ち出している社会保障政策に対して、高齢者の福祉に負担増がかかるとの意見が多い中、この社会保障政策プログラム法案の行方が、銅高齢者に受け入れられるか注目されよう。
政府としては短期国会だが、どうしても今国会中に成立させたい意向だ。(編集担当:犬藤直也)