東京電力 日立に一部事業売却で再建への糸口をつかむ?

2013年10月25日 17:02

 さまざまな問題でゴタゴタが続いている東京電力<9501>だが、新しい展開に向けて動きだしたかのようだ。

 日立<6501>、日立システムズ、東京電力の3社は、東京電力の100%子会社で情報システムの開発・保守・運用事業を担うテプコシステムズに関し、戦略的業務提携に向けた株式譲渡契約および株主間契約を締結したと発表した。

 東京電力はテプコシステムズの一部の事業を日立グループに売却することになる。東京電力は総合特別事業計画で、子会社・関連会社等の売却により2011年度からの3年間で1301億円を調達するとしていたが、今回の売却で達成される。

 テプコシステムズが、会社分割により、東京電力における一般管理系業務を中心としたシステムの開発・保守および全業務システムの運用を営む新会社を2014年3月に設立する。その後、同社株式のうち、日立システムズが51.0%、日立は15.6%をそれぞれ東京電力から取得し、日立システムズパワーサービスとして日立の連結子会社とする。
 
 3社は、日立システムズパワーサービスを通じた新たな情報サービス事業の検討や人財交流などを行う予定。3社は、これらの取り組みを通じて、戦略的業務提携関係を構築していく。

 なお、会社分割により存続するテプコシステムズは、電気事業固有システムの開発・保守および電力関連エンジニアリングを行う会社として、引き続き東京電力の100%子会社として日立システムズパワーサービスと提携関係を構築し、電気事業を支えていく。

 日立グループは、日立システムズパワーサービスを通じて、これまでテプコシステムズが長年にわたり培ってきた電力系システム開発・運用の経験およびノウハウと日立グループの幅広い運用・保守サービスのノウハウや人財、サービス基盤を融合することで、東京電力向けに高品質かつ高信頼な情報システムサービスを提供するとともに、電力業界をはじめとする社会インフラ分野向けの情報システムサービス事業の拡大をめざしていく。(編集担当:久保田雄城)