ブリヂストンが、416億円を投じてベトナムの新工場の生産能力を倍増させる理由

2013年10月27日 19:08

 ブリヂストン<5108>は、子会社BTMV(ブリヂストン タイヤ マニュファクチャリング ベトナム リミテッド ライアビリティ カンパニー)が現在ベトナム・ハイフォン市に建設を進めているPSR(乗用車用ラジアルタイヤ)の敷地面積、約102万平米メートルの新工場の生産能力増強を決定した。総投資額は約416億円で、生産能力を2017年下期までに日産約24,000本増強し、増産後の生産能力を日産約49,000本とする予定だ。

 同工場は、欧米や日本への汎用タイヤを中心としたPSRの輸出基地として14年3月の操業開始を予定している。現在タイのノンケー工場、インドネシアのカラワン工場でもそれぞれその生産能力を増強しているが、更なる需要増へ対応するための拠点である。

 16年上期には日産約25,000本の生産能力に達すると見込んでいるが、グローバル市場における需要増加に対応するため生産能力をさらに強化する。同社は、常に変化する市場動向に迅速に対応し、ユーザーにより高品質な商品をタイムリーに提供できる生産体制の構築を図り、ベトナムでの事業活動を通じて、ベトナム、ハイフォン市の経済発展に貢献していきたいとしている。

 ハイフォン市は、首都ハノイから約100キロメートルの位置にあるベトナム北部最大の港湾都市。1993年、同市はベトナム最初の輸出加工区として認可された。その結果、海外からの投資を集めて輸出基地として発展してきている。10世紀頃から海上交通が栄えており、15世紀には外国船も寄港するほどになった。 19世紀後半にはベトナムの阮朝がこの地に波止場を建設して、外国船と交易できる商館を設置した。また沿岸防備を強化するための、兵力を駐屯させた。つまり海防であるが、それがそのまま町の名、ハイフォン(海防)になったという歴史を持っている。

 BTMVは、資本金、3億780万USドル(約237億円)で、従業員数は16年上期に1,900人、17年下期の時点では、3,800人を見込んでいる。ブリヂストンの100%子会社。(編集担当:久保田雄城)