経済成長で注目のベトナム、日越友好年を有益なものとできるか

2013年04月02日 08:16

 その経済成長や、年初の安倍総理大臣訪問などでにわかに注目を集めるベトナム。ヤンマーの駐在員事務所設立やIHI の自社工場加工能力増強、シダックス の現地大手給食会社との資本提携など、日系企業の進出も依然として活発であり、注目度は高い。しかし活発な活動の影で、2013年は日本とベトナムとの間で外交関係を樹立してから40周年にあたるということは、あまり周知されてないのではないだろうか。

 2011年10月にグエン・タン・ズン・ベトナム首相が訪日した際に署名された「アジアにおける平和と繁栄のための戦略的なパートナーシップの下での行動に関する日越共同声明」において、2013年を「日越友好年」に定め、友好年を記念する行事を実施するための協力を促進していくことに合意。在ベトナム日本国大使館をはじめとする在ベトナムの日本関係機関が昨年、ハノイにおいて日本ベトナム友好年実行委員会を立ち上げている。

 トヨタやキャノン、味の素などの大手企業がスポンサーとなり、様々に実施される友好年事業。そのコア事業としてベトナムにて実施されるのが、「おいしいニッポンフェア」と「日本ものづくり技術展」である。「おいしいニッポンフェア」では日本食をクローズアップ。ベトナムの人々に、日本の安心安全で美味しい食べ物をPRする機会として、4月24日~4月26日の間に実施されるベトナム国内最大級の食関連展示会への視察やブース出展、ホーチミン市内にあるベトナム人に人気のレストランとのタイアップ等を実施する。さらに9月4日~6日には、様々な日本の優れた技術を直接体験してもらう機会となる「日本ものづくり技術展」を開催。ベトナムでは、身近な電化製品からインフラ建築物まで日本の技術力は世界一であると高く評価されている。しかし、他国企業もベトナムへの製品売込みに力を入れており、特に若い世代への浸透が進んでいるという。この技術展が成功するか否かは、少なからず今後のベトナムにおける日本企業の動向を左右するかもしれない。

 その他、「伝統の技と美」ワークショップ&展覧会や、日本語フェスティバル、日越サッカー親善試合などの事業が予定されており、パナソニック<6752>エコ絵日記コンテスト2013ベトナム大会や、ハノイ貿易大学における三菱商事<8058>国際奨学金など、企業も積極的に独自の取り組みを展開する予定となっている。

 ベトナムとは、対中国関係でも共同で取り組むメリットがある。2013年は、東南アジアの中でもベトナムが、最も関係が重視される国と言えるのではないだろうか。(編集担当:井畑学)