ANA、アジア市場を視野にミャンマーの航空会社と提携

2013年09月01日 16:12

 ミャンマーというと、6年前の反政府デモを軍事政権が武力による弾圧を行い日本人ジャーナリストを含む多くの死傷者を出した事件が思い出される。そんな軍事政権もようやく終わりを告げた。だが、このような政治的要因で周辺国のベトナムやラオスなどに比べると経済発展が遅れていたと言わざるをえない。しかし、そんな状況が変わりつつある。

 日本企業も、ANA<9202>が12年ぶりに12年10月より、日本─ミャンマーの定期便を再開していたり、8月には阪急阪神エキスプレスが同国に現地法人を設立したり、NEC<6701>もやはり8月にヤンゴン市に続いて、首都ネピドー市にもオフィスを開設した。このように、ここにきて動きが活発になってきている。

 ミャンマーは人口6,000万人で昨年民主化を境にこのように日本を含む、海外企業の進出が急速に進んでいる。今後は大きな経済発展が見込まれるだろう。

 ANAは、ミャンマーの航空会社AWA(Asian Wings Airways Limited)と提携協議を行い、資本提携に関する基本合意したと発表した。AWAはミャンマーの民間新興エアラインで、2011年に設立され国内の13都市に就航している。10月より国際線の就航を予定している。また2018年までにA320、10機体制を目指しているという。

 ANAはAWAの株式49%(約25億円を投資)を取得し、今後、AWAに対して、運航・整備に関する安全性・定時性の強化やサービス品質向上にむけた業務支援を行う。また国内線・国際線両事業においてミャンマーの他エアラインとの差別化を図り、スピード感を持って同社の事業拡大を進めていくとしている。今回の投資は外国のエアラインがミャンマーの民間エアラインへの初めてのケースとなる。

 ANAは成田=ヤンゴン線のデイリー運航(週7便)や機材大型化を9月末から実施する。日本からミャンマーへの輸送力増強を行う中、ミャンマー国内の主要都市への以遠便(AWA運航)の接続性を向上させ、ANAのネットワークへの貢献も見込んでいるとのこと。(編集担当:久保田雄城)