JX日鉱日石金属および三井金属鉱業の共同出資による銅事業会社パンパシフィック・カッパーが、佐賀関製錬所において、かつて世界一(167.6m)の高さを誇った「第一大煙突」を解体すると発表。10月10日に同製錬所構内において、安全祈願祭を挙行し、来年6月に完工する予定だという。
今回の解体は、「第一大煙突」が1916年(大正5年)に建設されてから百年近くが経過し、老朽化が著しいことを受けたもの。これにより、製錬所の排煙機能は、隣接する「第二大煙突」に集約される。同製錬所においては「第一大煙突」の解体のほか、煙道など老朽化した一部設備の補修、関係設備の清掃、構内緑化などをリニューアル計画として順次とり進める。
「第一大煙突」は、明治から大正にかけての銅製錬業の宿命的課題であった煙害問題(亜硫酸ガスによる山林・農作物などへの被害)の解決に向けて建設。以来、製錬所の重要な操業関連施設であると同時に、「関の大煙突」との異名のもと、地元・大分における「産業・経済の興隆」、「街の繁栄」のシンボルとなっていた。今般の解体により「第一大煙突」がこのような使命を全うすることに鑑み、製錬所として、この大煙突の記念碑の設置についても検討しているという。