29日、プラズマパネルやプラズマテレビを生産するパナソニック<6752>の子会社である、パナソニックプラズマディスプレイ(PPD、大阪府茨木市)が、生え抜き社員約250人を、2014年3月末までに、すべて退職させる方向で調整を行っていることが分かった。早ければ年内11月中にも希望退職者の応募を開始し、希望退職に応じない社員についても、生産が終了となる3月までには雇用契約を終了させる予定だ。
パナソニックからパナソニックプラズマディスプレイに出向している従業員に関しては、パナソニックグループ内への配置転換によって対応を図る方針で、近く労働組合に正式に協議を申し入れる。
パナソニックプラズマディスプレイは00年10月に設立され、資本金は356億円(13年3月時点)。05年から稼働を開始した兵庫県尼崎市の工場を建設する時に、兵庫県から補助金を受け取ったほか、地元からも積極的に従業員を採用していた。
ところが08年に起きた「リーマン・ショック」以降、全世界的に薄型テレビの需要が激減し、これまで多額の投資を続けて来ていたプラズマ事業は赤字となり、パナソニックが13年3月期まで、2期連続で7000億円を越える最終赤字を計上する大きな原因ともなっていた。
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こうした現状を踏まえて、経営の立て直しを図っているパナソニックは、14年3月末までをめどに、採算の悪化しているプラズマテレビ事業から撤退すると共に、子会社であるパナソニックプラズマディスプレイの社員約250人を退職させる方向で調整に入った。11月にも希望退職者の募集を開始し、希望退職に応じない社員に関しては、従事する事業がなくなることを理由に、3月末で雇用契約を終了させ、全員を退職させる。
さらにパナソニックは、生産拠点である兵庫県尼崎市の工場の売却も検討しており、リストラ・資産圧縮の両面から、経営の立て直しに向けて大きな動きを見せる。こうした大胆な方針を打ち出した結果、パナソニックがどのように再生するか、その動向に注目が集まっている。(編集担当:滝川幸平)