東京ガスとパナソニック 世界初のマンション向け家庭用燃料電池を開発

2013年10月27日 13:29

 東京ガス<9531>とパナソニック<6752>は、世界で初めてマンション向けの家庭用燃料電池「エネファーム」を共同で開発した。東京ガスが、2014年4月1日より発売する。マンションのパイプシャフト内に燃料電池ユニット、貯湯ユニット、バックアップ熱源機を全て設置できる仕様として製品化したのは、世界で初めてとなる。

 戸建て住宅に比べ、より設置条件に制約があるマンション向けに、機器本体の気密性を高めることなどにより、開放廊下側のパイプシャフト内への設置を可能にした。また、マンションの設置基準に対応するため、機器本体をアンカー固定する脚部の強度を向上させることで耐震性を高めるとともに、給排気構成の変更などにより強風時でも運転できるように耐風性を高め、高層階での設置も可能としている。

 火力発電所からの電気と都市ガス給湯器からの給湯を行なう方式と比べて、定格発電時にCO2排出量を約49%、一次エネルギー消費量を約37%削減できまる。モデルケースでの年間光熱費は約3~4万円節約、年間CO2排出量を約1.0トン削減できる。

 販売目標は、14年度に500台。なお、既に、総合地所と東急不動産<8815>から自社が都内で供給する分譲マンション(計2物件、456戸)にこの製品を採用する予定になっている。

 「エネファーム」は都市ガスから取り出した水素を空気中の酸素と化学反応させて発電し、発電した電気は家庭内で利用する。その際に出る熱も給湯に再利用する。電気をつくる場所と使う場所が同じであるため送電ロスがなく、また発電時に出る熱を無駄なく活用できるシステムである。

東京ガスは09年5月に世界で初めて「エネファーム」の一般販売を開始している。13年9月末までにパナソニックが全国で累計約31,000台を出荷し、その内、東京ガスが累計約24,000台の販売を行なっている。13年度は、パナソニックが年間15,000台以上の生産体制を構築し、東京ガスが12,000台の販売を目指している。また、東京ガスは、20年に累計300,000台の販売を目標としている。(編集担当:久保田雄城)