JCBとペイパルが業務提携、スマホ決済が来年3月より可能に

2013年11月06日 14:03

 例えば、小さなカフェ。お客からは、小銭をサイフから取り出すのが面倒だから、クレジットカードを使いたいという要望がある。だが、端末の費用が高額だし、維持費が必要だったり、POSレジとの連携など導入のハードルは高く実現できていなかった。しかし、お客のクレジットカードを自分の(専用リーダーを使って)スマホやタブレットで読み取り、決済できれば事は簡単である。

 JCBは、ペイパル(PayPal Pte. Ltd.)と、業務提携に向けた基本契約書に署名し、2014年3月を目途に「PayPal Here」によるJCBブランドのクレジットカードの取り扱いを開始すること基本合意した。

 JCBブランドのカードが今回の合意によりスマートフォン決済ソリューション「PayPal Here」での対面決済にも利用できるようになる。その結果、「PayPal Here」は「VISA」、「MasterCard」および「American Express」を含め、日本国内の主要なクレジットカードブランドすべてを取り扱うことが可能になる。

「PayPal Here」は日本全国の小売業、飲食店、サービス業など数千店と契約を結んでおり、それらの店舗で利用が可能だ。クレジットカードだけでなくスマートフォン向けの無料ペイパルアプリを使って買い物ができる「顔パス支払い(チェックイン支払い)」など、現金以外の便利な支払い手段を提供することで、ペイパルは「財布のいらない世界」の実現を目指していくとしている。またJCBは、カード決済のすそ野を拡大し、キャッシュレス化を促進していくという。

「PayPal Here」は、スマートフォンに取り付ける親指大の暗号化された専用のカードリーダーと、無料のモバイルアプリケーションを使って、クレジットカード支払いができる、スマートフォン決済ソリューションサービス。登録の手続きをはじめ、初期コストや月額費用が課題となって、これまでクレジットカード決済を導入できなかった中小規模の事業者や個人事業主も「PayPal Here」を活用することで、複数の決済手段を用意できるため販売機会の最大化を図ることができる。また、専用の無料のモバイルアプリケーションはiPhone、iPadのほかAndroid搭載スマートフォンにも対応している。

 同様のサービスは「PayPal Here」の他にも、ユニクロが導入した「スクエア」も展開している。小規模店舗や個人業種にとっては新しい商いのスタイルの選択肢が増えることは朗報だろう。(編集担当:久保田雄城)