先日、世界大手のフィンランドのスマホ向けゲーム開発会社、スーパーセルの買収を発表したばかりのソフトバンク<9984>だが、今度はフィンランドから大西洋を超えて、米国を舞台に買収劇を繰り広げる。
ソフトバンクは、携帯端末の卸売り事業を展開する米国のブライトスターを総額12億6000万ドル(約1,247億円)で買収すると発表した。
同社は株式の約57%を所有し、ブライトスターを子会社化する。今後5年間で出資比率を約70%まで引き上げる。
ブライトスターは、移動通信分野に特化した世界最大規模の卸売り会社。携帯端末メーカーやキャリア、小売業者など、移動通信分野の主要企業に対して多彩なサービスを提供している。
携帯端末の卸売りだけではなく、アクセサリー類の卸売り、携帯端末の物流・在庫管理、携帯端末に係る保険、買戻し、下取り、マルチチャネル販売及びエンドユーザー向けファイナンスなど実に幅広くビジネスを行っている。
現在、同社は50カ国以上に拠点を構え、125カ国以上でサービスを提供している。ブライトスターの2012年の売り上げは、約63億ドル(約、6,237億円)となっている。
ソフトバンクは米国においては、13年7月にスプリントの買収を完了させ、事業基盤を日本から米国へと拡大させている。今回、ブライトスターを子会社化することにより、携帯端末の調達規模を拡大し、日米において競争力をさらに高めていくとしている。
ブライトスターーの本社は米国のフロリダ州マイアミから変更はない。今後のブライトスターの取締役会は取締役5名で構成され、うち3名は同社が選任する。
ソフトバンクは今回の買収によって米国のみならず全世界規模の卸売り事業に参入し、端末の大量仕入れの規模を拡大していくことで、端末メーカーに対しての価格交渉力を高める狙いがあると思われる。
日本国内の携帯市場は既に成熟していて、たとえば、現状のシェアを倍増させるこは、不可能と言っていい状況だ。そんな中、世界に活路を見いだすソフトバンクの快進撃は、まだ始まったばかりなのかもしれない。(編集担当:久保田雄城)