スマホ向け高性能電子部品復調

2013年10月24日 17:56

 スマートフォン(スマホ)、タブレット(多機能携帯端末)の部品技術で、世界をリードしてきた日本の電子部品産業の復調が鮮明化してきた。これは、スマホやタブレットの世界的な普及が進み、日本の村田製作所や京セラなどの国内大手6社の7~9月期、受注総額が、四半期ベースで、過去最高を記録したことで明らかになったもの。

 シード・プランニングの調べでは、スマホの世界普及台数は、2013年の22億台から17年には40億台を超える見通しだ。

 村田製作所、京セラ、TDK、日本電産、日東電工、アルプス電気の国内大手6社の受注額の集計は、前年同期比16%増の約1兆900億円。08年の調査開始以来、過去最高となる。ただし、これには半導体や、液晶ディスプレーは含んでいないデータ。受注額が過去最高となったのは、村田製作所やTDKなど各社が、部品の供給先を拡大したためと見られている。

 サムソンやアップル社だけでなく、中国のファーウエイ、ZTEの出荷も増えている。

 日本企業が強いスマホ向けの主な高機能電子部品は、電気を一時的に蓄える「積層セラミックコンデンサー」で、村田製作所が極少品で世界首位。電波から通信に必要な信号を識別する「表面波フィルター」は、村田製作所やTDKが手掛ける。電圧の安定や、信号のノイズ除去に使われる「インダクター(コイル)」はTDKが。

 日本勢が強みとする中国の新興スマホメーカーなどに、顧客を拡大し、情報化の進む自動車向けなど、新たな用途も開拓、今後のさらなる発展を目指す。スマホ向け高性能電子部品の復調は、スマホの世界戦略を目指す日本にとって力強い戦力強化になるのは間違いないだろう。(編集担当:犬藤直也)