ソフトバンク<9984>が、米国第三位の携帯電話会社「スプリント」を7月に買収をしたニュースは記憶に新しいところだ。国内マーケットの飽和に危機感を持つ同社は、これによって事業基盤を日本から米国へと拡大させている。そして今度は欧州である。
ソフトバンクと子会社のガンホー<3765>は、フィンランドを拠点にスマホ向けのゲーム事業を展開する「スーパーセル」の株式の51%を総額15.3億米ドル(約1,515億円)で 取得し買収すると発表した。
「スーパーセル」が販売する「Clash of Clans」と「Hay Day」は、米国アップルが運営する配信サイト「App Store」のトップセールスランキングにおいて、それぞれ137カ国と96カ国で1位を獲得した実績がある。また、同社は2013年2月から8月の7カ月間、「App Store」の「ゲーム」カテゴリにおける売上で世界1位を獲得している。今後は、ソフトバンク及びガンホーとの戦略的パートナーシップの下、「The first truly global games company」という目標に向かって成長を加速させていくとしている。
ガンホーは、02年よりオンラインゲーム事業を展開している。現在、スマートフォン向け「パズル&ドラゴンズ」が日本国内で1900万ダウンロードを突破し、北米・韓国でも100万ダウンロードを達成している。今回の買収により、世界100カ国以上に向け事業展開を行う「スーパーセル」の海外マーケティング力と同社の「AppStore」のゲーム・カテゴリにおける同社の強味を生かして、ガンホーグループの世界展開をさらに強化していくとしている。
「スーパーセル」の現CEOのイルッカ・パーナネン氏は引き続きCEOを務める。新しい取締役には、ソフトバンクの孫正義社長とガンホーの孫泰蔵会長らが就任する。買収後も「スーパーセル」の本社はフィンランドのヘルシンキから変更はない。なお同社の12年12月期売上高は約7836万ユーロ(約104億円)、純利益は約2996万ユーロ(約40億円)。
ソフトバンクはガンホーとスーパーセルをコンテンツ分野の牽引役として、「モバイルインターネット世界No.1」に向かって邁進していくとしている。(編集担当:久保田雄城)