【電機8社の中間決算】昨年の「赤字三兄弟」はNECと富士通に乗り移った

2013年11月04日 13:05

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NECは売上高は4.5%の減収で、営業利益は473億円から3億円へ99.2%の大幅減益。8社中最大の赤字を計上した。

 10月31日、日立製作所<6501>、東芝<6502>、三菱電機<6503>、パナソニック<6752>、シャープ<6753>、ソニー<6758>、NEC<6701>、富士通<6702>の電機業界8社の9月中間期決算が出揃った。

 昨年の9月中間期はパナソニックが6851億円、シャープが3875億円、ソニーが401億円という大きな最終赤字を計上し、電機業界や産業界にとどまらず、日本国民全体が超円高による不況の深刻さを思い知らされた。それから1年が経過し、円高は是正されて「アベノミクス」により景気も回復をみせ、事業売却、資産売却、リストラなど懸命の経営努力を行っている旧「赤字三兄弟」は業績の改善が進んでいる。しかし、今度は〃赤字病〃がNECと富士通に乗り移り、新「赤字兄弟」が結成されてしまった。

 ■インフラ輸出の主役日立の好決算が光る

 今回の決算で最も「ポジティブサプライズ」だったのは日立製作所で、減収減益だった前年同期とはうって変わって売上高2.6%増、営業利益6.0%増、最終利益8.8%増。強みは情報システムや鉄道車両、発電プラントのような社会インフラで、インフラ輸出を後押しする安倍内閣の政策にもうまく乗れている。通期見通しは売上高1.8%増、営業利益18.5%増、最終利益19.8%増の2100億円と増収増益。営業利益5000億円はバブル時代の91年3月期の過去最高5046億円に迫る。

 東芝も最終利益は14.4%減ながら、売上高13.2%増、営業利益53.7%増というV字回復ぶりは日立に負けていない。半導体メモリーというスマホ特需で成長している分野を持っている効果が大きい。通期見通しは売上高8.6%増、営業利益49.9%増、最終利益29.3%増の1000億円と増収増益である。

 三菱電機は売上高は6.8%増、営業利益は11.0%減だが、最終利益は10.8%の増益を確保している。FAやエレベーターで競争力があり、8社の中で業績安定度は最も高く、売上高営業利益率もトップだった。通期見通しは売上高10.7%増、営業利益44.6%増、最終利益72.6%増の1200億円と増収増益。最終利益を100億円上方修正した。

 これら重電系3社は、それぞれ鉄道車両、半導体メモリー、エレベーターといった「これだけは断然強い」分野を持っている。それが安定した収益の源になっている。

 ■旧「赤字三兄弟」は通期は揃って最終黒字見通し

 1年前は旧「赤字三兄弟」の中でも最悪の業績だったパナソニックは、売上高1.9%増、営業利益67.8%増で、最終損益は6851億円の赤字から1693億円の黒字に大転換した。デジカメ、携帯電話の減収を白物家電や住宅、自動車関連の増収でカバー。最終損益は米国会計基準で年金関連の特別利益を計上した効果を割り引いて考える必要があるが、それがなくても黒字化はできた。通期見通しは売上高1.3%増、営業利益67.8%増の増収増益で、最終損益は1000億円の3年ぶり黒字転換を見込んでいる。「住宅と自動車」への「選択と集中」を進めており、下期はスマホ撤退やプラズマテレビ撤退のリストラ費用で特別損失を計上するが、それでも最終黒字を500億円から1000億円に上方修正した。

 シャープは、売上高21.5%増で、営業損益は1688億円の赤字から2年ぶりに338億円の黒字に転換。最終損益は赤字だが、その額は3875億円から43億円へ大きく縮小した。液晶パネル事業は中・小型も大型も好調で合理化の効果も出て、前年同期の1155億円の営業赤字から86億円の営業黒字に転換。携帯電話は売上減だったが太陽電池事業の売上が81%増と非常に好調で、液晶テレビも5%伸びた。猛暑効果でエアコン、冷蔵庫も売れた。通期見通しは売上高は8.9%増で、営業損益は800億円の黒字転換、最終利益は50億円の黒字転換を見込んでいる。