積水ハウスが600億円を投じて、米国・賃貸住宅開発事業に乗り出す理由

2013年11月07日 17:57

 米国で既に郊外型宅地開発(Suburban MPC)を手がけている積水ハウス<1928>だが、今度は、都市型の賃貸住宅開発事業にも乗り出す。

 積水ハウスは子会社であるNORTH AMERICA SEKISUI HOUSE,LLC(NASH)を通じてHolland Partner Group(ホラント社)と共同で、米国において都市部のアパートメント賃貸住宅約2,300戸を主体とする5つの不動産開発プロジェクトを開始する。投資額は総額約600億円。

2013年度の米国での売り上げは240億円、営業利益は73億円を見込んでいるが、17年度は、この賃貸住宅開発事業も加えて、売り上げ550億円、営業利益200億円を目指す。

米国において、現在35%を占める賃貸住宅居住者数は近年増加傾向にあり、Generation Yと呼ばれる世代を中心に、郊外から都市部への人口移動が見られるなど、中期にわたり雇用集積地に近い優良な賃貸住宅の需要増加が見込まれている。

 優良な立地における、環境・サステナビリティに配慮した付加価値の高い開発を共通の強みとする積水ハウスとホラント社はこれを事業機会と捉え、両社グループ間で5プロジェクトの開発を共同で進めることについて合意した。

 5つのプロジェクトの中ではオレゴン州ポートランドのプロジェクトが最も早く、2013年末までの着工、14年11月に竣工・賃貸開始を予定しており、各プロジェクトとも暫時竣工・賃貸開始を経て、安定稼動後市況を見ながら、17年以降の売却を目指す。他には、ワシントン州シアトル、コロラド州デンバーの2つの地域とカリフォルニア州ロサンゼルスで開発を行う。
 
 ホラント社は、開発から建設、管理までをグループ内で一貫して行うことのできるマネジメント能力と対象市場のノウハウを活かし、積水ハウスグループと共同で顧客・市場のニーズに応えた不動産開発を進めていく。

 積水ハウスは、日本での累計住宅供給戸数トップのノウハウを活かして、子会社のNASHを通じ、ホラント社と良きパートナーシップを築き事業を展開していくとしている。(編集担当:久保田雄城)