民主党の代表選挙が10日告示され、野田佳彦総理、赤松広隆元農林水産大臣、原口一博元総務大臣、鹿野道彦元農林水産大臣の4人(いずれも衆議院議員)が立候補した。代表選挙は21日の臨時党大会で実施される。
同日午後3時から都内で行われた共同記者会見での所信表明で、野田氏は「中途半端に国政を投げ出すわけにいかない」とし「党の再生、日本の再生」に取り組むとした。特に「デフレ脱却、経済の再生」に力を入れることを強調した。また、他の3候補がいずれも閣僚経験者であることから「チャレンジャーのつもりで臨む」とした。また原発については原発ゼロ社会をめざすとし、原発の新増設は行わない、40年運転制限を厳格に適用する、原子力安全規制委員会の安全確認を得たもののみ再稼動するとの3原則を確立するとした。
一方、赤松氏は「政権政党として成熟していなかった」ことなどを取り上げ、「民主党の原点に立ち返った政治」をアピール。原発については30年代に原発稼動ゼロは最低限の目標であり、より前倒しを目指すとした。また、集団的自衛権について「容認する憲法解釈変更は認めない」と政府見解堅持の姿勢を見せた。
原口氏は「党名を変えるくらいの出直しをしなければならない。国民に対し、お詫びからはじめなければならない」と党名変更も辞さない覚悟で解党的出直しの必要をアピール。東日本大震災からの復興の加速、今夏に原発ゼロでも電力供給が可能なことが事実上証明されたとして、直ちに原発ゼロ計画に着手すべきなどとした。また、原子力規制委員会の人事は原子力村から完全にフリーの人で構成すべきだとし、人事の差し替えもあげた。
鹿野氏は「政権党がまとまらないようでは政権政党としての責任は果たせない」として「党内融和の先頭に立つ」とし、「おおらかで・あたたかい国をつくる」と訴えた。原発については「原発稼動ゼロをできる限り前倒しで実現できるよう全力を尽くす」とアピールしている。(編集担当:森高龍二)