2足歩行ロボット「ASIMO」が生んだ自立型・次世代移動手段「UNI-CUB ベータ 」

2013年11月21日 18:21

ホンダ

2011年に第一号が誕生した「UNI-CUB」が、日本科学未来館における実証実験で進化し新型「UNI-CUB ベータ」が生まれた。

 ホンダが2足歩行ロボットである「ASIMO」から得たバランスをロボットが獲得した“技術”を応用した車イスとはアプローチが異なる、次世代の自立型移動補助機器、「UNI-CUB ベータ 」(ユニカブ・ベータ)」を発表。幅広いユーザーの利用を可能とし、人との親和性を向上させ、東京モーターショー会場での「SMART MOBILITY CITY 2013」で、積水ハウスと東芝と合同で最新の次世代「スマートハウス」を合同で提案するなかで実例を見せた。

 2012年5月に発表した第一弾の「UNI−CUB」は、ヒューマノイドロボット「ASIMO」の研究・開発で得られたバランス制御技術や全方位駆動車輪機構(Honda Omni Traction Drive System)を使った乗り物。身体を傾ける体重移動で、人の歩行のようなスムーズな前後左右や斜めへの動きをも可能な新しいパーソナルモビリティである。人の行き交うショッピングモールなどにも適応するコンパクトなサイズ。もちろんオフィスなどの屋内空間で使うことも可能だ。

 2012年6月より実施している日本科学未来館との共同実験において、施設内で活用の可能性を検証。日本科学未来館のスタッフが館内移動用として活用するほか、来館者がUNI−CUBに乗車して施設内の展示物の見学を行うなど、幅広い世代の多くの見学者が試乗した。この実験からさまざまなデータや利用者の声を収集・反映させ、新型でコンパクトになった「UNI−CUB ベータ」を開発、発表した。
今後は、さらにステップアップを図り、有償レンタルを基本として、外部の事業者と協力し、さまざまなシーンで使用しながら、ビジネスとしての成立性を検証するという。積水ハウス、東芝と「スマートハウス」研究で採用したのもそのひとつの事例といえる。

 今回の新型は、小型・軽量化しており、従来モデルよりもシート位置を低くしことで、より幅広いユーザー対応した。デザインと素材の進化
「人との調和」「空間との調和」をコンセプトに、人と機体の一体感を向上するデザインを採用しました。また、本体は人が触れたときの感触や接触時の衝撃緩和を考慮して柔らかい素材を採用している。

 また、使い勝手の向上させる目的でスタンド機能の追加。乗り降りのしやすさを向上させた。また、静止状態でスタンドを立てることで、腰掛けとして利用することも可能である。

 本体スペックは、全長×全幅×全高510×315×620mm、シート高620mm、重量25kg、最高速度6km/h、駆動電源はリチウムイオンバッテリー、使用条件は屋内バリアフリー対応空間となっている。(編集担当:吉田恒)